崖地の家

白い箱型の住宅が崖に浮くようなイメージです。

実際は基礎が岩盤に固定されています。

屋上は駐車場になっており、上の階から降りて内部へ入っていきます。

床材は白い鏡面のタイルです。可動式のベンチを作りました。

階段はパンチングメタルとチェッカープレートを使い。

パンチングメタル部分からは光が下に漏れるように考えました。

崖地への施工は驚きの連続でした。

基礎をつくるのに平場を作るとき、最初の一人はスコップを持った人間でした。

小さな重機が載るような広さまで平らにしてそこから平場を広げていったのです。

それでも簡単に平らにはならず、

内部から露出した岩盤を掘削するのに相当の時間を要しました。

岩盤の上に基礎を乗せる計画でしたが、

目で見た岩盤は地球の骨であるような感じがしました。

こちらの設計例のように宅地でありながら自然を感じられる家が作れたらと思います

 

映りこみするガラスと金属のインテリア

時代を反映して母屋の横に

テレワーク棟が完成

アクセントの壁紙はイギリスのを使用

ツカサテキスタイルEAG-112579

ベースのクロスはサンゲツリザーブで

床はコンクリート調のビニル床タイル

照明はトーヨーキッチンスタイルのクランカーを使用

奥のシェトランドソファとモザイクタイルはトーヨーキッチン

モザイクタイルにブラケット照明を反射させるように配置した

フィリップスタルクデザインのマスターズチェア、

メタルフィニッシュの映りこみが3DCGの映画の様で美しい

シースルーのシェードはたるみをつけて表情を出している

ガラスのテーブルにもスワロフスキーが映りこむ

キッチンのモザイクガラスやメタリックフィニッシュのチェアは

見る角度で反射した色が違うので楽しい

ミニチッチンが家具や壁材で高級に見えて錯覚する

洗面のクランカーミラーには対面のクロスが映りこむ

イギリス製のクロスは

ツカサテキスタイルEAG-112052

大理石のような不思議な縞模様が壁一面に広がる

 

 

斜面 設計

敷地は翠松園の斜面で3段になっている形状でした。

北道路で南側の斜面に窓を大きく開放することで眺望の得られる土地で

窓を大きく開放しながら2階玄関から1階へ降りていく様な間取りになりました。

2階はリビングダイニングと浴室と洗面トイレの水回り、

親世帯の寝室を道路側に配置しました。

1階は子供世帯のベッドルームでデッキテラスに出れるようになっています。

周囲の景観になじませるためにブラックの外壁を選んだのと

眺望を楽しむためにブラックのサッシを使って存在感を消しました。

ブラックの外観は自然の多い地域ではコケなどにも見た目に強く

長い目でみてメンテナンスが少なくなることを意識して選びました。

木造の構造で南側前面を窓にするためにブレース、筋交いで構造耐力を確保しています。

手摺形状も眺望を邪魔しないようなフラットバーにして

視線を遮らないデザインにしています。

 

外がより見えるように工夫したことで、

天空の城のように宙に浮いたインテリアと視線を得ることができました。

 

斜面の設計ではプランが敷地に合わせるだけで個性的でメリハリが付きます。

そのため、斜面に建つ住宅の場合外壁の色数を増やすなどの装飾はしていません。

 

作曲そのものが美しければピアニストが無意味に強く弾く必要が要らないように、

無意味な装飾が斜面の間取りの面白みを阻害しかねないためです。

 

北側の外観では格子扉をはき出し窓の前につけて窓を隠しました。

大きな格子戸を引くと窓が出現します。

道路側に大きな開口を設けたのは駐車場からの出入りを考慮したものです。

駐車場から最短距離で部屋に入ることのできる介護が必要な家族のためです。

格子は外からの視線も遮りながら自然光を取り込むことができました。

実用性とデザインの折り合いをつけるための格子戸です。

変形敷地 住宅

敷地は延長敷地、旗竿地と呼ばれる形状でした。

旗のように奥が広く道路に対して道路があるタイプの土地です。

さらに奥の敷地形状は三角地でした。

デザイナーの施主が意図して購入したもので、

敷地形状が面白ければ、変わった建物になるだろうという期待がああったのです。

 

構造は鉄骨造でしたので比較的に複雑な形状でも

構造的な耐力と大きなスパンを確保することができました。

見る角度によって変化するボリュームによって

恣意的なアイデアを加えなくても変化に富んだデザインになりました。

土地の力による住宅プランの多様化を設計の過程でも体感しました。

基本設計プランは非常に多くのパターンを比較することになったのです。

フローリングの方向と壁の方向が違うように

三角形の敷地は基準となる軸すらなくなってきます。

X軸Y軸がしっかり認識できる箱型の設計にはない箇所や視点の重なりが生まれたのです。

インテリアはモダンでありナチュラルなテイストを混ぜました。

タモの無垢板のダイニングカウンターとキッチンのバックカウンターは

建て主と一緒に材木やさんへ足を運んで検討した樹種です。

この建物は間取りから完成までそして完成後も進化しました。

建て主が愛着をもって子供と一緒に成長と進化させたのを見たときには

設計完成から手を離れた後も住宅が新陳代謝しながら生きて成長するのを学びました。

 

中庭のある家

中庭からビルトインガレージが見えます。

こちらの住宅の土地を見に行くと
道路に対してどこも傾斜していました

そこにガレージを作るというのが難易度マックスでした。
やりがいどころか、ハイプレッシャーすぎます

 

傾斜を利用してスキップフロアを作りました

リビングとダイニングも立体的につながり

中庭を見ることができます

内部のインテリアは迷路のような場所もできました。

内部は漆喰塗でヒノキの壁材や桜の無垢材などを使いました。

高低差のある敷地の設計

愛知県の高低差のある敷地に建つ住宅で

敷地を購入するまでいくつかプランを作りました。

建築する敷地に決定するまで他の敷地にもプランを作り、

模型を作るなどして検討をしました。

敷地は建築協定のあるエリアで

高さの制限や北側からの距離が定められていました。

特に2階のボリュームまで壁面後退が指定されていたので

セットバックするなどのボリューム検討を必要としました。

内部空間については外から想像しにくい間取りを要望されていました。

建て主は以前設計した住宅の画像をインターネットで検索して

設計事務所へ電話を頂いて設計を依頼していただいたので、

外からどうなっているか分からない間取りというのがコンセプトになっていました。

外観は箱型にしながら内部空間はスキップフロアにして

設計事務所ならではの面白みをつけるのと

収納スペースや天井の高さなどの実用性を加えていきました。

ダイニングとリビングは2段の階段でスキップフロアになっており、

1階と2階の間に蔵収納を設けることでリビングの天井を半階高くすることができました。

インテリアは間接照明などを使いシンプルだけどデザイン性が感じられるようにしました。

リビングに接する畳コーナーは小上がりにして

畳の下を引き出し収納にしています。

リビングには学習コーナーカウンターをつくり

子供の成長にあわせて、お絵かきや宿題のできるスペースをつくりました。

 

中庭のある家

外観はシンプルで玄関には車から雨に濡れないで行けるよう
ひさしを深く伸ばしています。

道路側からは軒樋や吸気口なども目立たないように配置、
外壁は16mmの汚れ落ちの良いサイディングを採用

郵便ポストは壁面に埋め込んで、
住宅内部シューズクロークから受け取れるようにしています。

 

間取りはデッキの中庭のあるプランで
リビング、和室から中庭を見ることができます。

デッキ材は樹脂デッキを採用して、フローリング面や畳のレベルに高さを近づけて
部屋が広く見えるように演出しています。

リビングには吹き抜けもありシャッターを下ろしていても
光が情報から差し込むので明るい住宅になります。

キッチンはフルフラットのタイプのキッチンで

脇にはパントリー収納と家事コーナーカウンターがあります。

キッチン背面は引き戸ですっきりと物が隠れるように収納しています。

アイランド(島状)になっているのでキッチンを中心に周りを回れるので

家事動線もスムーズになります。

パソコンなどの配線を隠せるように工夫されている造作カウンター

洗面脱衣室はオリジナルの洗面カウンターで幅も広く

外からは見えませんがお風呂の前に専用庭もあります。

脱衣室からも出ることができます。

2階の廊下は幅が広くなっていて

学習コーナーがあります。カウンター下は本棚です。

学習コーナーの外はリビングの吹き抜けを見下ろす配置です。

 

床はパインの無垢フローリングを選び、

ホワイトの天然成分塗装でより明るい印象を作り出しています。

コンクリート造の住宅

愛知県の住宅設計でコンクリート住宅をつくった事例です。

地下の階には広いビルトインガレージをつくりました。

アルミのオーバースライダーシャッターで外観も美しくなりました。

道路側は曲面のコンクリート壁に石張りの仕上げで高級感があります。

コンクリートで重量感が出そうですが、風をはらんだ帆船のようなイメージで

軽快に感じられるようなデザインを狙っています。

内部空間は中庭や吹き抜けなどを効果的に配置することで

上から光が降り注ぐような場所や、

やわらかい光が壁から反射して内部に入るようにしました。

そのことで、プライバシーを保ちながら住宅に取り込むことができました。

中庭や坪庭などに窓をつくり、和室からは和風の坪庭が見えます。

上下階の行き来には楽に移動できるように、ホームエレベータを使う間取り図にしました。

バスルームの前も庭にして上だけが空いているので

視線はさえぎって光だけが降り注いでいます。

曲線コーナー変形敷地に建つ住宅

こちらの住宅は洋瓦を載せた外観になります。
外壁は塗り壁で人間の手の加わったあたたかさがあります。

外観は曲線のある角地ということもあり
その曲線にあわせた平面形状になりました。

輸入サッシの樹脂サッシを発注したのですが
なかなかこれが現場の進捗にそぐわず
苦労をすることになりました。

それ以来、あまり輸入サッシが好きではなくなり
まれにしか使わなくなりました。

外部のドアや窓の一部は木製でつくりました。

内部のドアは無垢材で統一していきました。

内装は思いでつくりとコストダウンを兼ねて
タナクリームをセルフビルドで塗ることにしました。

設計事務所のアルバイトの大学生の友達も動員して
建て主を含めて5人ぐらいで塗りましたが
人が違うとタッチが変わるので最初はどうなることやらと思いましたが
乾燥するとさほど目立たなく合格点の仕上がりになりました。

これから、セルフで塗る方へ
意外と大丈夫なものですよ(想像より疲れますけど)

内装の床は無垢材を使用していたので
温かみもあって窓の雰囲気にもマッチできたと思います。

そして意外に難産だったのがキッチンです。

カウンターの石材やコーラー社のシンクや水栓
ビルトインコンロや本体部分に至るまで
発注が別だったのであわせるのにも細心の注意が必要でした。
一部、下地の穴あけなどが合わずやり直しもありました。

キッチンに無垢材のカウンターをつけて
配膳と食事もスムーズになるように配慮しました。

狭小間口 住宅

間口4Mを切る三階建ての狭小間口の住宅例です。

構造は鉄骨造で1階に駐車場を配置して宙に浮いて様なボリュームです。

内部の階段は鉄骨階段で踏む面はチェッカープレートを使い

工事中も作業用の階段として活躍して合理的な現場効率を実現しました。

リビングの家具もオーダーして家具デザイナーとコラボレート

特注のソファは世界に一つしかありません。

キッチンとダイニングカウンターはステンレス製で

特別に作ったデザインです。

北側の窓は壁一面に光が入るようにしています。

床はグレーの長尺シートです。

リビング階段の家

ダイニングキッチンカウンターはレトロなタイルと

OSB合板をホワイトにペイントした仕上げでレトロな質感で

見た目はモダンな印象に仕上げました。

キッチンの横には和室が接して配置されていて

引き戸を開放するるとLDKと一体化した空間になります。

欄間部分は部屋が広く見えるように透明ガラスを入れています。

畳みは縁なしの半畳タイプの畳を使用しています。

全体的に白を基調にしたインテリアで建具枠や巾木や見切りなど細部も白に統一しています。

和室の柱は他より大きいサイズの柱にして素材をあらわにしていますが、

手垢で汚れないように白の自然塗装、天然成分の仕上げを染み込ませててあります。

玄関から直接いける場所にカウンターと棚板のあるコーナーを作りました。

トイレカウンターはグレーのシンプルなカウンターに白い手洗い器

タンクレストイレの下の床はグレーの長尺シートです。

横長のスリット窓でモダンに見える印象を作り出しています。

 

小屋裏などもフローリング梁にして使えるようにロフトを作りました。

外観はガルバニウム鋼板で汚れに対する耐久性を重視しました。

 

シンプルモダンインテリア

こちらの住宅は法人から依頼のあった分譲住宅プロジェクトです。

鉄骨階段でリビング階段を作りました。

 

キッチンはサンワカンパニーのシステムキッチンを採用しました。

トイレの床は大判のタイル貼りにしています。

床・壁・天井が無垢材の住宅

2003年竣工の南区の住宅は自然の木をふんだんに使った内装の住宅でした。

今現在になってこの木の内装がとても良いものに思えてアップです。

建て主の要望で無垢の床材を壁と床、天井まで木パネル貼りにした内装の住宅です。

天井まで無垢材を貼ったことでログハウスのようなインテリアになりました。

建築地は市街地でしたが内装は別荘のようでした。

外観はモダンの要素も取り入れて、木パネルとジョリパッド等で構成しています。

当時としては墨色やグレーの外観は珍しかったため人目を引くものでした。

15年以上たった現在、この住宅の良さを感じてきたのが、木貼りの内装です。

子供の成長のために蛍光灯で明るくするのが当時の主流のインテリアでした。

私の設計でも床は無垢材を使用しても壁は漆喰や珪藻土やクロス貼りにする設計が多かったのです。

 

完成当初は照明を通常の倍つけたのに暗く感じたことで、木のインテリアの暗さをデメリットに感じたこともありました。

大量につけた照明は木パネルに吸われてしまい若干暗めのインテリアの印象でした。

 

現在ではむしろリビングのインテリアは暗くても良い。と思うこともあります。

ほの暗さはメリットだと確信しているからです。

 

 

谷崎潤一郎の随筆、「陰翳礼讃」(いんえいらいさん)にあるように、

日本の住宅は、昔はほの暗い内部空間であったため、

日本にあるものは、少し暗い場所のほうが美しく見えるものや感じるものが多いということです。

 

例えばみそ汁を入れる、漆塗りのお椀なども少し暗い場所で見たほうが美しいと言うのです。

味噌汁なども暗い茶席で食べたほうがおいしく感じたと書いてあります。

 

日本人の肌の色もほの暗いほうが魅力を感じるとあります。

竣工の2003年当時は今と違って、LEDではなく蛍光灯や白熱灯が主流でした。

谷崎潤一郎は白熱灯ではなく、ろうそくや行灯(あんどん)などの光が良いと書いてありましたが、

さすがに、谷崎潤一郎の時代ではなく、行灯で暮らしましょうとは言えない時代です。

 

建て主の多くは部屋の中は明るくしたいと考え、要望もより明るくと言われることが多いです。

ヒサシの深かった昔の日本の住宅の昼間でもほの暗いインテリアとは違う趣味です。

 

現時点ではLED電球の光を調光して絞れるようにすることで、より明るくではなく、

より暗くできるようにするのが正ではないかなと感じています。

部屋の明かりを真っ暗ではなく、いくつか少なくして

例えばリビングとダイニングの証明を消して、キッチンの照明だけにして見れば

くっきりとした陰影が様々なものに現れて、影が美しいと感じるはずです。

手摺やドアに至るまで、無垢材にこだわったインテリアは

ほの暗さだけでなくやわらかで親近感のわくやさしさも同時に作り出してくれました。

柱はヒノキを使用していたので露出することで香りも感じられました。

棚などに至るまで無垢材を使用しました。

無垢材はひねりなどの経年変化があるので集成材の使用のほうがベストとは思います。

梁を露出して、手摺も木材としたことで、木の桟からもれる光も感じられました。

AI化が進んですべてがオートで均質になっていく未来には自然素材は得られないかも知れませんが、

現時点では入手可能な木材のよさというものを感じています。