高低差のある敷地の設計

愛知県の高低差のある敷地に建つ住宅で

敷地を購入するまでいくつかプランを作りました。

建築する敷地に決定するまで他の敷地にもプランを作り、

模型を作るなどして検討をしました。

敷地は建築協定のあるエリアで

高さの制限や北側からの距離が定められていました。

特に2階のボリュームまで壁面後退が指定されていたので

セットバックするなどのボリューム検討を必要としました。

内部空間については外から想像しにくい間取りを要望されていました。

建て主は以前設計した住宅の画像をインターネットで検索して

設計事務所へ電話を頂いて設計を依頼していただいたので、

外からどうなっているか分からない間取りというのがコンセプトになっていました。

外観は箱型にしながら内部空間はスキップフロアにして

設計事務所ならではの面白みをつけるのと

収納スペースや天井の高さなどの実用性を加えていきました。

ダイニングとリビングは2段の階段でスキップフロアになっており、

1階と2階の間に蔵収納を設けることでリビングの天井を半階高くすることができました。

インテリアは間接照明などを使いシンプルだけどデザイン性が感じられるようにしました。

リビングに接する畳コーナーは小上がりにして

畳の下を引き出し収納にしています。

リビングには学習コーナーカウンターをつくり

子供の成長にあわせて、お絵かきや宿題のできるスペースをつくりました。

 

斜面 設計

敷地は翠松園の斜面で3段になっている形状でした。

北道路で南側の斜面に窓を大きく開放することで眺望の得られる土地で

窓を大きく開放しながら2階玄関から1階へ降りていく様な間取りになりました。

2階はリビングダイニングと浴室と洗面トイレの水回り、

親世帯の寝室を道路側に配置しました。

1階は子供世帯のベッドルームでデッキテラスに出れるようになっています。

周囲の景観になじませるためにブラックの外壁を選んだのと

眺望を楽しむためにブラックのサッシを使って存在感を消しました。

ブラックの外観は自然の多い地域ではコケなどにも見た目に強く

長い目でみてメンテナンスが少なくなることを意識して選びました。

木造の構造で南側前面を窓にするためにブレース、筋交いで構造耐力を確保しています。

手摺形状も眺望を邪魔しないようなフラットバーにして

視線を遮らないデザインにしています。

 

外がより見えるように工夫したことで、

天空の城のように宙に浮いたインテリアと視線を得ることができました。

 

斜面の設計ではプランが敷地に合わせるだけで個性的でメリハリが付きます。

そのため、斜面に建つ住宅の場合外壁の色数を増やすなどの装飾はしていません。

 

作曲そのものが美しければピアニストが無意味に強く弾く必要が要らないように、

無意味な装飾が斜面の間取りの面白みを阻害しかねないためです。

 

北側の外観では格子扉をはき出し窓の前につけて窓を隠しました。

大きな格子戸を引くと窓が出現します。

道路側に大きな開口を設けたのは駐車場からの出入りを考慮したものです。

駐車場から最短距離で部屋に入ることのできる介護が必要な家族のためです。

格子は外からの視線も遮りながら自然光を取り込むことができました。

実用性とデザインの折り合いをつけるための格子戸です。