変形敷地 住宅

敷地は延長敷地、旗竿地と呼ばれる形状でした。

旗のように奥が広く道路に対して道路があるタイプの土地です。

さらに奥の敷地形状は三角地でした。

デザイナーの施主が意図して購入したもので、

敷地形状が面白ければ、変わった建物になるだろうという期待がああったのです。

 

構造は鉄骨造でしたので比較的に複雑な形状でも

構造的な耐力と大きなスパンを確保することができました。

見る角度によって変化するボリュームによって

恣意的なアイデアを加えなくても変化に富んだデザインになりました。

土地の力による住宅プランの多様化を設計の過程でも体感しました。

基本設計プランは非常に多くのパターンを比較することになったのです。

フローリングの方向と壁の方向が違うように

三角形の敷地は基準となる軸すらなくなってきます。

X軸Y軸がしっかり認識できる箱型の設計にはない箇所や視点の重なりが生まれたのです。

インテリアはモダンでありナチュラルなテイストを混ぜました。

タモの無垢板のダイニングカウンターとキッチンのバックカウンターは

建て主と一緒に材木やさんへ足を運んで検討した樹種です。

この建物は間取りから完成までそして完成後も進化しました。

建て主が愛着をもって子供と一緒に成長と進化させたのを見たときには

設計完成から手を離れた後も住宅が新陳代謝しながら生きて成長するのを学びました。

 

曲線コーナー変形敷地に建つ住宅

こちらの住宅は洋瓦を載せた外観になります。
外壁は塗り壁で人間の手の加わったあたたかさがあります。

外観は曲線のある角地ということもあり
その曲線にあわせた平面形状になりました。

輸入サッシの樹脂サッシを発注したのですが
なかなかこれが現場の進捗にそぐわず
苦労をすることになりました。

それ以来、あまり輸入サッシが好きではなくなり
まれにしか使わなくなりました。

外部のドアや窓の一部は木製でつくりました。

内部のドアは無垢材で統一していきました。

内装は思いでつくりとコストダウンを兼ねて
タナクリームをセルフビルドで塗ることにしました。

設計事務所のアルバイトの大学生の友達も動員して
建て主を含めて5人ぐらいで塗りましたが
人が違うとタッチが変わるので最初はどうなることやらと思いましたが
乾燥するとさほど目立たなく合格点の仕上がりになりました。

これから、セルフで塗る方へ
意外と大丈夫なものですよ(想像より疲れますけど)

内装の床は無垢材を使用していたので
温かみもあって窓の雰囲気にもマッチできたと思います。

そして意外に難産だったのがキッチンです。

カウンターの石材やコーラー社のシンクや水栓
ビルトインコンロや本体部分に至るまで
発注が別だったのであわせるのにも細心の注意が必要でした。
一部、下地の穴あけなどが合わずやり直しもありました。

キッチンに無垢材のカウンターをつけて
配膳と食事もスムーズになるように配慮しました。